今月の主題 内科臨床における心身医療
疾患・症候をどう診るか
神経性食欲不振症—早期発見と早期対応
胸元 孝夫
1
,
野添 新一
2
1鹿児島大学医学部第1内科
2鹿児島大学医学部心身医療科
pp.1098-1100
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903687
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ポイント
●若い女性でやせ願望があり,特に器質的疾患がないのに,著明なやせ,無月経があるのが典型的な神経性食欲不振症(AN)である.
●経過中,過食,意図的嘔吐を伴う神経性過食症に,逆に過食からANに移行する例があり,診断上注意を要する.
●多彩な心身両面の臨床症状を呈し得る.特に低カリウム血症は,致死的不整脈をきたすことがある.
●治療は行動療法(認知の修正を含む)が主流で,薬物療法は補助的なものと考えられる.
●本症のなかには病気(やせ)を理由にストレス的現実からの回避のスタンスをとり,入院はおろか病気そのものを否認する例がある.的確な診断に基づく早期治療は原則である.
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