今月の主題 内科臨床における心身医療
疾患・症候をどう診るか
慢性膵炎
町田 英世
1
,
中井 吉英
1
1関西医科大学第1内科心療内科部門
pp.1085-1086
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903683
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ポイント
●慢性膵炎早期には膵機能不全症状がみられず,心因性腹痛,心因性疼痛とみなされてしまう場合が多い.上腹部不定愁訴や慢性腹痛の患者を診察する場合には,本症の存在も念頭に置く必要がある.
●さらに,アルコール歴のあるものは,必ず本症を疑い精査すべきである.
●長期間続く痛みのため,いわゆる“慢性疼痛”として,うつ状態や神経症的な状態になりやすく,不定愁訴化したり,薬物依存に陥るものもある.
●したがって,疼痛を主体とする代償期の早い段階で診断し,適切な心理・社会的アプローチを行っていくことが,その予後に大きく影響する.
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