今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
高脂血症の診断
高脂血症の理学的所見と検査値の読み方
斯波 真理子
1
,
山村 卓
1
1国立循環器病センター研究所病因部
pp.692-696
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903594
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ポイント
●高脂血症を診察するにあたって留意すべき理学的所見は,黄色腫,角膜輪,網膜脂血症,動脈硬化症,膵炎などである.
●血清中コレステロール値が上昇する高脂血症には結節性黄色腫,扁平黄色腫が合併し,トリグリセリドが上昇する高脂血症には発疹性黄色腫が合併しやすい.
●腱黄色腫は家族性高コレステロール血症(FH)ホモおよびヘテロ接合体に特異性が高く,特にアキレス腱の肥厚は診断の一助となる.
●高脂血症の診断には12時間以上の絶食後の早朝空腹時に採血したサンプルを用いる.
●高脂血症の病因解析,病態の把握には,血清脂質測定に加えて,リポ蛋白電気泳動,アポ蛋白測定が有用である.
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