今月の主題 脂質代謝と動脈硬化
動脈硬化症の成因理解のための脂質代謝
高トリグリセリド血症と動脈硬化
本間 康彦
1
1東海大学大磯病院内科
pp.661-663
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903586
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ポイント
●高トリグリセリド血症は高カイロミクロン血症と高VLDL血症に分類される.
●カイロミクロンレムナント,VLDLレムナントはβ-VLDLと呼ばれ,動脈硬化促進作用が強い.
●また,コレステリルエステル転送蛋白(CETP)活性が高いと動脈硬化を促進するといわれるが,高トリグリセリド血症ではその活性が高い.
●CETPによりHDLのコレステロールエステルはトリグリセリド-richリポ蛋白に転送されるため,その結果,HDLコレステロール値は低下する.
●これらの理由により,高トリグリセリド血症の改善が動脈硬化の予防に重要であることが近年広く認識されるようになった.
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