今月の主題 小児疾患とキャリーオーバー診療
小児科から内科へのキャリーオーバー診療
慢性腎疾患のフォローアップ
五十嵐 隆
1
1東京大学医学部小児科(分院)
pp.302-304
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903509
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ポイント
●IgA腎症患者の約半数は加齢とともに腎炎が進行し,蛋白尿の程度が増加したり,一部の症例では腎機能の低下が見られるようになる.
●小児のステロイド反応性ネフローゼ症候群の約1割を占めるステロイド依存性ネフローゼ症候群患者の多くは,低身長,骨粗鬆症,肥満,白内障などのステロイドによる合併症を有する.
●ステロイド反応性ネフローゼ症候群患者は,特に思春期に服薬,通院などのコンプライアンスが急に低下することがある.
●Alport症候群,若年性ネフロン癆,oligomeganephronia,爪膝蓋骨症候群,腎低形成の患者では,次第に低下してゆく腎機能や合併症の評価と腎不全合併症の治療を行う.
●遠位尿細管性アシドーシス患者では適切なアルカリ,K補充療法が一生涯必要である.糸球体・尿細管機能や腎結石,腎石灰化,腎嚢胞などの合併症を評価する.
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