今月の主題 外科から内科へのメッセージ
癌の外科治療とその限界
転移性肺腫瘍
坪田 紀明
1
,
吉村 雅裕
1
1兵庫県立成人病センター胸部外科
pp.1015-1018
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902751
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ポイント
●本疾患に対する外科療法の最もよい適応は片側の単発病巣であるが,両側でも一側にCT画像上数個以内までの症例に手術が考慮される.両側多発例も化学療法が奏効すれば,かつては適応外と考えられた症例も外科療法の対象となる.
●執刀医は将来の複数回手術に備えた必要十分量の最小肺切除を心がけるべきである.手術操作が肺門部に深くなっても,安易に葉切除や肺摘除に走ることなく,腫瘍を含めた肺部分切除遂行の手技習得が求められる.腫瘍境界不鮮明以外のいかなる理由も過剰切除の言いわけにはならない.
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