今月の主題 外科から内科へのメッセージ
癌の外科治療とその限界
原発性肝癌
佐藤 勤
1
,
佐藤 泰彦
1
,
小山 研二
1
1秋田大学医学部第1外科
pp.998-1000
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902746
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●肝細胞癌に対する肝切除の適応は,腫瘍の進展度よりも,併存する肝障害により大きく制約されている.
●肝機能からみると,血清総ビリルビン値≧2.0mg/dl,アルブミン<3.0g/dl, ICG 15分停滞率>40%,プロトロンビン時間<50%,コントロール不能の腹水を有する症例では,通常,肝切除の適応はない.
●腫瘍の進展度からみると,肝内転移が片葉に限局し,門脈あるいは肝静脈の一次分枝に腫瘍栓を認めない場合には,根治をめざした肝切除が適応されうる.
●切除後の再発に対する再切除後の成績は,初回手術後の成績と同等であるため,初回手術と同様の適応で肝切除を行うのがよい.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.