臨床医に必要な老人をみる眼・4
老人の糖尿病
阿部 隆三
1
1太田西ノ内病院糖尿病センター内科
pp.848-850
発行日 1994年4月10日
Published Date 1994/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902714
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我が国では1960年代の後半から糖尿病患者,特にインスリン非依存型糖尿病(以下NIDDM)が増えてきており,最近の疫学調査によれば,都市,農村を問わず,40歳以上の国民の約10%,500万人以上の糖尿病有病率であったとしている1).しかも,米国に移民した日系二世や三世の糖尿病有病率は,現在の我が国よりも高いことが知られているので,今後さらに我が国のNIDDM患者が増える可能性が大である.
また,糖尿病有病率の年次推移を年齢階級別に検討した成績2)によると,65歳以上の老年者糖尿病の有病率が他の年齢階級に比べて著しく高く,その割合が年々大きくなっていることが示されている.
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