今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
食道疾患
食道静脈瘤
六倉 俊哉
1
1茅ヶ崎徳洲会総合病院消化器科
pp.12-18
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902538
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ポイント
●食道静脈瘤の治療としては,緊急,待期,予防のいずれを問わず,内視鏡的硬化療法が第一選択の治療法である.
●胃静脈瘤に対しても,内視鏡的硬化療法が積極的に行われているが,止血困難のこともあり,他の治療法についても熟知している必要がある.
●内視鏡的静脈瘤結紮術は,硬化療法に比し,さらに安全に施行し得る新しい治療法であり,普及しつつある.
●経内頸静脈的肝内門脈大循環短絡術は,開腹手術を要しないシャント術であり,硬化療法での止血困難例に対し,よい適応である.
●食道静脈瘤に対する根本的治療として,肝移植の行われる日が待たれる.
●ウイルス性肝炎の多い本邦においては,肝炎ウイルスの撲滅が,肝硬変,肝癌,食道静脈瘤の予防として最も重要である.
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