今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
食道疾患
逆流性食道炎/食道潰瘍
関口 利和
1
1群馬大学医学部第1内科
pp.6-10
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902537
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ポイント
●逆流性食道炎は,消化液の胃から食道内への逆流によって発症する.
●食道潰瘍は原因を問わず,損傷が粘膜下層,筋層まで及ぶ病理組織学的名称である.
●病態は多岐にわたっているが,重要なのは下部食道括約部(LES)の機能低下と食道酸排出能の遅延である.
●よって,理論的には消化管運動改善剤が有効と考えられるが,臨床の場では酸分泌抑制剤が有用である.
●ヒスタミンH2受容体拮抗剤やプロトンポンプ阻害剤の開発によって,内科的治療効果は急激に向上した.
●内科的治療では病態が改善されないので,投薬を中止すると再発する率が高い.
●狭窄を続発することが多いので,継続治療を要する.
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