電子内視鏡による大腸疾患の診断・15
表面型腫瘍の色素拡大電子スコープ所見
工藤 進英
1
,
飯沼 元
1
,
小野 真一
1
,
中嶋 孝司
1
,
日下 尚志
1
,
中村 穣志
1
1秋田赤十字病院胃腸センター
pp.944-949
発行日 1993年5月10日
Published Date 1993/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902105
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電子内視鏡はファイバースコープにかわる新しい消化管内視鏡診断装置として開発された.ファイバースコープと比較し,解像力に優れ,画像処理などの可能性も有し,これからの発展が大いに期待されるところである.
最近開発された拡大電子スコープは,大腸の最も微細な病変の診断が可能な手法である.通常観察から,瞬時のズーム操作により100倍まで倍率を切り換えられる拡大電子スコープは,病変部のピットパターン(pit pattern)から生体内において組織診断を客観的に類推することを可能にした.生体内において組織診断が可能になることは,臨床家の究極の目標である.ポリープ,腺腫を対象としていた時代の拡大内視鏡とは異なり,平坦・陥凹型癌の鑑別診断が問われる時代になり,今後その重要性はさらに高くなっていくことが予想される.
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