特集 早期大腸癌1994
ノート
拡大電子スコープによる大腸疾患の診断
工藤 進英
1
,
中嶋 孝司
1
,
飯沼 元
1
1秋田赤十字病院胃腸センター
キーワード:
拡大電子スコープ
,
実体顕微鏡
,
pit pattern
,
陥凹型早期大腸癌
Keyword:
拡大電子スコープ
,
実体顕微鏡
,
pit pattern
,
陥凹型早期大腸癌
pp.163-165
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105723
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はじめに
最近開発された拡大電子スコープは,大腸病変の最も微細な表面構造の観察が可能な手法である.ズーム操作により,瞬時に100倍まで倍率を切り替えられる拡大電子スコープを用いることにより,病変部の表面腺口形態(pit pattern)を生体内において観察することができるようになった.われわれは従来から実体顕微鏡観察を行い,pit patternと組織型が強く相関することを明らかにしてきた.pit patternの分析を背景として,拡大電子スコープは生体内において組織診断が客観的に類推できる新しい内視鏡診断を確立していくものと考えられる.生体内において組織診断が可能になることは,臨床家の究極の目標である.ポリープ,腺腫を対象としていた時代の拡大内視鏡とは異なり,陥凹型癌の鑑別診断が問われる時代になり,今後その重要性は更に高くなっていくことが予想される.
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