今月の主題 神経症候—リアルタイムの診療
治療とリハビリテーション
神経疾患の基本的リハビリテーション
櫻井 とし子
1
1東京都立神経病院・リハビリテーション科
pp.2280-2289
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901904
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ポイント
1)基本的リハビリテーションは,障害の発生が予測される患者に対して最低限なされなければならないものである.
2)その主な目的は二次的合併症の予防であり,予防すべき二次的合併症として,褥瘡,拘縮・変形,過度の安静による起立性低血圧,廃用性筋力低下,不適切な排泄管理による膀胱・直腸障害,誤嚥による嚥下性肺炎などがある.
3)適応は,バイタルサインが安定しているもので,意識障害・運動障害・知覚障害などにより安静と不動を余儀なくされるものである.
4)実施にあたっては,①バイタルサイン,②意識レベル,③神経症候,④内科的合併症,⑤関節可動域,⑥日常生活動作などの評価が必要である.
5)内容としては,①体位変換,②良肢位保持,③関節可動域訓練,④早期坐位訓練が最も基礎的なものであり,そのほか,⑤排泄管理.訓練,⑥嚥下訓練,⑦残存性の筋力維持訓練などが病態に応じて必要になる.
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