心療内科コンサルテーション・5
原因不明の痛みをどのように考えるか
小宮山 博朗
pp.1498-1501
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901652
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痛みは日常診療上もっともありふれた訴えである.痛みは,通常,身体組織における病変(炎症,外傷,腫瘍など)の存在を示すサインと認識されている.したがって,痛みを訴える患者には,まず基礎疾患の検索が行われ,発見された基礎疾患の治療が痛みの治療となる.この基礎にあるのは,痛みの特殊説(von Frey)である.末梢の侵害刺激が,受容器(自由神経終末),末梢神経,脊髄視床路,視床を介して大脳皮質感覚領野に到達すると,痛みが知覚されるという理論である.ところが,心療内科にはこの極めて常識的な考えが通用しない痛みを訴える患者のコンサルテーションが依頼される.
本稿では「原因」の見いだせない痛みの「原因」の考え方について紹介する.
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