今月の主題 内科医のためのCT・MRI
CT—頭部
血管性病変
前原 忠行
1
,
小澤 幸彦
1
1関東逓信病院・放射線科
pp.934-941
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901527
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ポイント
1)急性期脳出血は高吸収値陰影として描出される.血腫が吸収されるにつれて等吸収値から低吸収値へと変化し,瘢痕期には陳旧性梗塞と類似した所見を示す.
2)脳出血の大部分は高血圧性出血であるが若年者の脳出血や皮質下,小脳出血では脳動静脈奇形などが原因のことがある.
3)脳梗塞は低吸収値陰影を示すが,24時間以内の急性期には梗塞巣が描出されないこともある.
4)亜急性期にはfogging effectと呼ばれるX線吸収値の上昇により梗塞巣が不明瞭になることがある.
5)クモ膜下出血は通常,脳底部を中心とする脳槽の高吸収値陰影として認められる.
6)クモ膜下腔の血腫は移動しやすくX線吸収値の低下も早い.等吸収値を示す少量の血腫は見逃しやすいので注意を要する.
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