今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
腎・尿路疾患
ネフローゼ症候群
須賀 孝夫
1
,
堺 秀人
2
1東海大学大磯病院・内科
2東海大学医学部・第7内科
pp.702-705
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901474
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ネフローゼ症候群とは,腎糸球体の障害から糸球体毛細血管の蛋白透過性が充進し,アルブミンを主体とする大量の血漿蛋白が尿中に漏出することが引き金となり,浮腫を主体とした臨床症状を呈する症候群であり,種々な原疾患によってひき起こされる.原疾患としては,腎糸球体そのものに障害がある,原発性糸球体疾患による一次性のネフローゼ症候群が多く,全体の80%を占めている.しかしながら,糖尿病やSLEなどの全身疾患に由来する二次性のネフローゼ症候群も少なくなく,このことを常に念頭において診療を行う必要がある.また浮腫をきたす疾患には,心疾患や肝疾患などがあるが,ここでは尿蛋白を主体とした尿所見異當がある,すなわち腎糸球体障害があり,浮腫をきたした患者に対する診断,治療のすすめかたについて述べる.
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