特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第3章 腎臓
ネフローゼ症候群
丸山 彰一
1
,
石本 卓嗣
1
,
小杉 智規
1
1名古屋大学大学院医学系研究科腎臓内科学
pp.615-618
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_615
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ネフローゼ症候群は,腎糸球体係蹄の障害により大量の尿蛋白とこれに伴う低アルブミン血症や浮腫を特徴とする症候群である.このうち,明らかな原因疾患がないものを一次性,原因疾患があるものを二次性に分類する.本症候群では,大量の尿蛋白,低アルブミン血症・低蛋白血症に起因する浮腫,胸水,腹水,体重増加,脂質異常症,凝固線溶系異常とそれに伴う血栓症,免疫機能低下とそれに伴う感染症,腎機能低下などさまざまな病態を呈する.腎予後は蛋白尿の程度に相関するため,尿蛋白量の減少が治療の目標となる.
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