今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
消化器疾患
逆流性食道炎
椎名 泰文
1
,
原澤 茂
1
,
三輪 剛
1
,
高安 博之
1
,
榊原 健一
1
,
柴田 晴通
1
,
幕内 博康
2
1東海大学医学部・内科6
2東海大学医学部・外科
pp.598-599
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901445
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- 文献概要
逆流性食道炎は,下部食道括約部(LES)の運動機能不全(逆流防止機構),主に胃酸などの消化液の食道内逆流(粘膜攻撃因子),胃内食物停滞,腹圧上昇,胃排出能(逆流促進因子),食道粘膜防御因子などが関与し,食道粘膜に炎症や潰瘍を生ずるのが主なる病態である.臨床症状は胸やけ,胸骨後部痛,嚥下痛などで,くり返す炎症により食道狭窄をきたしている症例では嚥下困難を訴える場合もある.
その診断には内視鏡検査が最も有用であり,鑑別診断上,最も重要な食道癌との鑑別もルゴールを用いた色素内視鏡検査により容易である.逆流性食道炎の治療は損傷した粘膜の修復,消化液逆流の予防,障害された下部食道括約部の機能改善が主なものとなり,内科的治療に難渋する症例や器質的な狭窄をきたしてしまった症例は外科的治療の対象となる.
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