今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
呼吸器疾患
肺塞栓症
中島 明雄
1
,
池田 賢次
1
1済生会下関総合病院・呼吸器内科
pp.596-597
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901444
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静脈内血栓,脂肪,空気,造影剤,腫瘍細胞などにより肺動脈が閉塞され,肺血流障害をきたす疾患を肺動脈塞栓症という.大部分の肺塞栓症は骨盤腔や下肢の深部静脈の血栓性静脈炎から遊離した血栓が肺動脈を塞栓したものである.以前では,わが国では発生頻度の少ない疾患と考えられていたが,呼吸器疾患による突然死の大半は本症によると推定され,また約20%の剖検例で肺塞栓症が認められたとの報告もある.本症を常に念頭に置き鑑別診断を行うことが大切である.
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