今月の主題 胆道系疾患1992
胆道系疾患治療法の基本と最近の進歩
胆道系疾患における抗生剤の正しい使い方
小林 芳夫
1
1慶応義塾大学医学部・中央臨床検査部
pp.270-271
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901370
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ポイント
1)内科領域で扱う胆嚢炎の起因菌はグラム陰性桿菌がほとんどを占める.
2)Escherichia coliおよびKlebsiellaPneumoniaeがもっとも多い.
3)第一選択薬剤は胆道系に移行の良いセフェム系である.
4)敗血症へ進展している場合,アミノ配糖体系を併用投与する.
5)胆嚢ドレナージが施行されている症例でしばしば種々の細菌が検出されるが,無症状例では抗生剤の投与は不要である.
6)チフス菌やパラチフス菌の胆嚢内保菌者の除菌の第一選択薬剤はAmpicillinおよびそのprodrugである.
7)胆石症のある場合,薬剤投与で胆嚢内保菌者の除菌は不可能のことが多い.
8)肝膿瘍では一般細菌のみならずEnta-moeba hystolyticaによる場合があることに注意する.
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