今月の主題 胆道系疾患1992
胆道系疾患治療法の基本と最近の進歩
腹腔鏡下胆嚢摘出術—わが国の現状と将来
大上 正裕
1
,
若林 剛
1
1川崎市立川崎病院・外科
pp.266-268
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901369
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ポイント
1)腹腔鏡下胆嚢摘出術は,開腹胆嚢摘出術と比較して,術後の疼痛が少なく,早期退院,早期社会復帰が可能であり,美容上の利点もある.
2)胆石に対して,同様に侵襲の少ない体外衝撃波破砕療法(ESWL)と比較しても,適応が広く,なによりも根治術である.
3)本法の施行には,まず適応の設定が重要である.一般的には,胆石症では,急性胆嚢炎を認めず,上腹部開腹術の既往がなく,総胆管結石を認めず,DICやERCPで胆嚢が描出されるものが適応となるが,手技の習熟によりさらに適応は拡大される.また手術適応のある胆嚢ポリープは本法の良い適応である.
4)わが国でも1990年より急速に普及してきており,今後数年のうちに胆石症・胆嚢ポリープの手術の第一選択となってくるものと考えられる.
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