増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
心エコー法
疾患と心エコー図異常
弁膜疾患—半月弁
竹中 克
1
1東京大学医学部・第2内科
pp.132-137
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901135
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●検査の手順
半月弁膜症のエコー検査も,他の心疾患の場合と同様,被検者を左側臥位にして,胸骨左縁左室長軸断面から始める(図1).まず,左室,僧帽弁,大動脈弁レベルのMモード心エコー図を記録し,カラードップラーで異常血流の有無を観察する.左室径の計測は,大動脈弁膜症の手術の適応を考えるのに重要な参考となる.1つの目安としては,大動脈弁閉鎖不全では,左室拡張末期径55mm以上,%FS 25%以下になる前に手術したほうがよい.上行,下行大動脈の拡大やintimal fiapの有無にも注意を払う(図2).
胸骨左縁短軸断面は,左室,僧帽弁,大動脈弁の各レベルを描出し,またカラードップラー像を観察し,逆流の吹き出し口やカラー信号の太さを調べる.大動脈弁レベルの短軸断面では,大動脈弁を左冠尖,右冠尖,無冠尖に分けて,詳細に調べるが,この際に装置のzoom up機能を使用するとよい(図3).大動脈弁の枚数異常の診断(図3)および冠動脈の描出にも努力する.
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