今月の主題 輸液療法の実際
電解質輸液の進め方
輸液療法のモニタリング
松川 重明
1
1稲城市立病院・内科
pp.960-963
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900904
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
1)輸液療法の施行に際しては,病歴,臨床症状,臨床検査所見を総合的に判断して,水・電解質異常の病態と程度を的確に診断し,異常に見合う輸液量と輸液速度の決定を行う必要がある(単一のパラメータのみで水・電解質異常を的確に判断しうるものはない).
2)尿中電解質の測定は,電解質異常の原因が腎外性か腎性かの鑑別に重要で,かつ腎外性異常の場合,体内の異常をよく反映する.
3)体重の変化は体液量の変化の最も鋭敏な指標であり,1kg/日以上の体重変化は体内総水分量の変化と考えられる.
4)輸液計画は患者の病状に応じて,一定の間隔で立案して,適宜その量と内容を検討する.この際バランスシートによる輸液管理は有用であるが,何日分も加算すると誤差が大きくなるので,常に現症との比較を行う.
5)輸液療法の施行中は輸液量と輸液速度の安全限界を念頭におき,輸液による医原性の異常を付加しないように注意する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.