検査
検査データをどう読むか
依藤 寿
1
1東京医科大学・臨床病理学
pp.2372-2375
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900613
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患者:14歳,男性.主訴:発熱.既往歴:特記すべきものなし.家族歴:明らかな血栓症の既往なし.現病歴:昭和62年2月23日夕,急性腹症にて某病院に緊急入院.急性虫垂炎の診断にて虫垂切除術を受けた.その後,2月27日にてんかん様発作をきたし,頭部CTにて後頭蓋窩血腫が確認された.血腫は速やかに吸収されたが,3月中旬より白血球増多を伴わない高熱が続き,不明熱精査目的で次の病院に転院した.同院での腹部超音波検査にて下大静脈血栓が指摘され,静脈造影にて右下腿から下大静脈にかけて広範な血栓を確認した.凝固亢進状態に対してメシル酸ガベキサート(FOY)2,000mg/日の持続投与が行われ,若干の改善を得たが完全な寛解を得られず,更なる精査目的で4月16日当院へ転院となった.入院時現症:身長170cm.体重54kg.脈拍64/分,整.血圧118/72mmHg,左右差なし.右下肢に軽度の腫脹を認めた.
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