今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
検査でどこまでわかるか
SPECT
小松本 悟
1
,
奈良 昌治
1
,
天野 隆弘
2
,
高橋 慎一
2
1足利赤十字病院・内科
2慶応義塾大学医学部・神経内科
pp.2115-2118
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900552
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SPECT(Single Photon Emission CT)は比較的容易に3次元的な脳血流情報が得られるため,近年急速に普及している.本稿ではSPECTについて概説し,臨床応用への問題点について述べる,さらに自験例を供覧する.
123I,133Xe,99mTcなどの核種は,崩壊するときに1つのphotonを放出する.この放射性同位元素でラベルしたtracerを生体内に投与し,体外より測定し画像化したのがSPECTである.設備と測定も比較的容易であることより,最近急速に普及した.SPECTに用いられるtracerには,現在以下のようなものがある.133Xe,N-isopropyl-(123I)-p-iodoamphetamine(1231-IMP),99mTc-hexamethyl-propyleneamine oxime(99mTc-HMPAO),N,N,N'-trimetyl-N'-(2-hydroxy-3-methyl-5-(123I)-iodobenzyl)-1,3-propanediamine 2 HCL(123I-HIPDM),99mTc-ethylcysteinate dimer(99mTc-ECD)など,次々と新しい核種が開発され,手軽に局所脳循環の指標が得られるようになった.
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