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SPECT
岡田 淳一
1
1成田赤十字病院放射線科
pp.255
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902369
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SPECT(single photon emission computed tomography,略称スペクト)は,放射性同位元素を利用する核医学検査の中の1つの検査方法である.本誌で前述したPETと異なり,ポジトロン放出核種ではない99mTc,123I,201Tlといった通常の放射性医薬品(RI)を対象に検査が行われる.脳,心臓,癌,骨,甲状腺など,検査の対象となる臓器や病気によって用いるRIが決定される.そのRIを患者に投与(通常は静脈内注入)すると,その特性によつて患者の体内にRIが分布する.RIはガンマ線(電磁波の1つでX線と似たもの)を放出しているので,ガンマ線を検出するカメラ(ガンマカメラ)で体外から撮影すれば,RIが患者体内のどこにどれだけ存在しているかを画像化することができる.通常はガンマカメラを体表に近づけて撮影し,平面像を得る.しかし脳や心臓ではより詳しく見るために,X線CTのような横断画像が必要となる.そこでガンマカメラを回転させたりして,いろいろな方向からデータを得,コンピュータで断層像を計算させるのがSPECTである.図は左側頭葉の脳梗塞患者のSPECT像である.123I-IMPというRIを静脈投与してSPECT装置で撮影すると,この画像が得られる.脳血流を表す脳の横断像である.左側頭葉の血流が低下していることが表されている.
SPECTの特徴を以下に挙げる.
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