呼吸器疾患診療メモ
ニューモシスチス・カリニ肺炎の臨床
宮城 征四郎
1
,
喜屋武 幸男
2
1沖縄県立中部病院
2沖縄県立中部病院・内科呼吸器科
pp.1440-1442
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900364
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過去20数年,ニューモシスチス・カリニ肺炎(Pneumocystis carinii pneumonitis,以下PCP)は,免疫不全ないし免疫抑制患者における日和見呼吸器感染症の主な疾患として最もよく認識されてきた.その罹患頻度が最近,本邦においてもとみに増加しており,単に呼吸器専門家のみならず,一般臨床家にとってもきわめて重要な疾患として注目を浴びつつある.
その理由のひとつに悪性疾患や臓器移植患者,あるいはSLEなどを中心とした膠原病患者などにおける副腎皮質ホルモン薬の大量投与や免疫抑制剤の使用,加えて最近,とくに耳目を集め始めた後天性免疫不全症候群(Acquired ImmuneDefficiency Syndrome;AIDS,以下エイズ)の本邦への上陸などが挙げられよう.
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