今月の主題 内科医のための小児診療のコツ
主な症状・疾患の診療の要点
発熱
富樫 武弘
1
1北海道大学医学部・小児科学教室
pp.1304-1307
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900325
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●高体温の病態生理
体温が異常に上昇している状態を高体温というが,これはうつ熱と発熱とに分けられる.前者は放熱量を越えて熱発生が増加した状態,後者は体温調節レベルが高温側にずれた状態ということができる.
体温の調節は体温調節中枢がこれを行うが,間脳の視床前野,前視床下部に存在し,インターロイキン1(IL-1)自身あるいはIL-1により誘起されたプロスタグランディンE(PGE)が作用して,末梢骨格筋,皮膚,血管に対して,調節指令が出され,ある一定レベルまでの体温の上昇,下降が行われる.皮膚血管収縮によって熱放射が減少し,立毛筋収縮および骨格筋攣縮によって(体温調節行動)熱発生が起こり,高体温がセットされる.
発熱の原因が除去されると,皮膚血管の拡張と発汗によって熱放散が増大して体温が低下する.
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