カラーグラフ Oncology Round・10
腎結石でマスクされた早期尿管癌
新井 栄一
1
,
楠山 弘之
2
,
伊藤 浩紀
2
,
片山 勲
1
1埼玉医科大学・病理学
2埼玉医科大学・泌尿器科
pp.1057-1061
発行日 1990年6月10日
Published Date 1990/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900264
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早期尿管癌の症例を紹介する.血尿を主訴としたが,腎結石を合併していたため,その存在はマスクされていた.初回の検査では診断に至らなかったものの,癌痛出現のため連続して提出された尿細胞診に,境界領域の細胞(クラスIII)が反復して出現し,移行上皮癌が疑われた.そこで,再度行われた排泄性腎盂造影により尿管癌と診断され,右腎・尿管摘出術が施行された.早期の移行上皮癌であり,予後は良好と考えられる.
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