今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
予後と予防
アスピリンと心筋梗塞
久津見 恭典
1
,
宮保 進
1
1福井医科大学・第3内科
pp.119-121
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900036
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性心筋梗塞の一次予防として,抗凝固療法は従来より多くの研究がなされてきたが,治療の根幹に関わる問題点は必ずしも解明されていなかった.一方,冠動脈内血栓溶解療法が実際的な急性心筋梗塞の初期治療法として確立し,血栓形成が心筋梗塞の原因として重要視されるにいたり,抗凝固療法は再び脚光を浴びてきた.ことに抗血小板療法は血小板機能の発現や調節機序が血小板受容体レベルで解明されつつあり,また各種疾患による血小板機能の変化も報告されていることから,注目されるようになった.
本稿ではこのような背景をふまえ,急性心筋梗塞に対する抗血小板剤の位置づけを臨床報告を中心に述べることにする.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.