今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
予後と予防
心筋梗塞と高脂血症
寺本 民生
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.116-118
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900035
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最近は,高脂血症治療薬の目ざましい進歩により,まったく対応できない高脂血症はほとんどないといっても過言ではない.このような状況下では,適切な治療法の選択が要請されることは言を待たないが,それとともに高脂血症治療の理論的バックグラウンドの認識が必要である.
高脂血症の治療目標は,動脈硬化症の予防である.動脈硬化症と高脂血症との関連については,
1)レトロスペクティブな疫学的調査
2)プロスペクティブな一次予防,二次予防疫学調査
3)コレステロール負荷による動物実験
4)家族性高コレステロール血症(FH)においては動脈硬化症が必発であること
5)人のFHのモデル動物であるWHHLウサギの動脈硬化症
などの事実があげられるが,本稿では疫学調査を中心に,高コレステロール血症と動脈硬化症の関連について概説したい.
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