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感染症
HIV感染症の治療と予防(PrEP)—プライマリ・ケアでも治療できるHIV診療の新時代
仲村 秀太
1
1琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科(第一内科)
キーワード:
HIV
,
持効型注射薬
,
カボテグラビル
,
PrEP
,
U=U
Keyword:
HIV
,
持効型注射薬
,
カボテグラビル
,
PrEP
,
U=U
pp.69-74
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229369
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Point
◎CD4数にかかわらず,すべてのHIVと共に生活する人々(PWH)に対して抗レトロウイルス療法(ART)が導入されるべきである.
◎インテグラーゼ阻害薬と逆転写酵素阻害薬の併用がARTの初回治療レジメンとして推奨されている.治療薬の特性を理解するとともに患者のライフスタイルに適した処方の選択が治療成功にとって重要である.
◎PWHは高血圧や糖尿病など生活習慣病のリスクが高い.HIVコントロールとともにプライマリ・ケアとしての視点が重要である.
◎曝露前予防内服(PrEP)は性交渉によるHIV感染リスク減少に非常に有効である.
◎持効型注射薬カボテグラビルは8週間に1回の筋注製剤として治療とPrEPの両面から注目を浴びている.
◎ARTでウイルス量が検出感度未満(200 copies/mL未満)に維持されれば,性行為による他者へのHIV感染リスクはゼロである(Undetectable=Untransmittable:U=U).
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