連載 主治医の介入でこれだけ変わる! 内科疾患のリハビリテーション・19
疾患別リハビリ・運動療法の実際
がん
上月 正博
1,2
1公立大学法人山形県立保健医療大学
2東北大学
pp.598-605
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228824
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がんは日本人の死亡原因の第1位である.国民の2人に1人が生涯のうちにがんに罹患し,3人に1人ががんで死亡する.がん治療は日々進歩しており,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の導入,高精度放射線治療,低侵襲な手術的治療など,大きく変化している.がん治療の進歩により,がんの治療を終えたあるいは治療を受けているがん生存者(がんサバイバー)数が,わが国で500万人を超え,がんが「不治の病」であった時代から,「がんと共存」する時代の新しい医療のあり方が求められている1).
近年では,がん患者の後遺症や合併症の軽減を目的とした治療前(prehabilitation),治療中の対応,就労支援,がん関連倦怠感(cancer related fatigue:CRF),がん誘発認知機能障害(cancer-induced cognitive impairment:CICI),がん悪液質(cancer cachexia),骨転移・骨関連事象(skeletal related event:SRE)のマネジメント,緩和ケアでの症状緩和や在宅療養生活の支援など,がん患者に対するリハビリテーション(以下,リハビリ)のニーズは急速に拡大している.本稿では,がんに対するリハビリ・運動療法を解説する.
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