特集 真夏の診察室
熱中症
古典的熱中症の分類とその背景
三宅 康史
1,2
1帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター
2帝京大学医学部救急医学講座
キーワード:
高齢化
,
予後不良
,
労作性熱中症
,
日本救急医学会分類
Keyword:
高齢化
,
予後不良
,
労作性熱中症
,
日本救急医学会分類
pp.1250-1255
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227073
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Point
◎熱中症は,環境や筋肉運動による深部体温の上昇が抑えられずに,臓器の高温化と虚血によって生じる.
◎高温多湿な環境にいるだけで起こる熱中症を“古典的熱中症”,加えて筋肉運動によって体内でさらに熱を産生することで起こる熱中症を“労作性熱中症”と呼ぶ.
◎高齢男女の熱中症の多くが,日常生活中に起こる古典的熱中症である.
◎高齢になるほど,医療機関の受診者数が多く,重症化の傾向がみられる.
◎熱中症の診断,重症度分類には,日本救急医学会分類2015が用いられ,緊急度により3段階(Ⅰ度,Ⅱ度,Ⅲ度)に分類される.
◎古典的熱中症の予後が悪いのは,高齢者に多く,時間を掛けて悪化し,元々の心機能低下や低栄養,腎障害により,治療への反応が鈍いためである.
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