連載 対応に迷うケースに出会ったら―それでもケアをしなければならない看護師のために②
家族に気兼ねして自分の思いを伝えられない患者
中尾 久子
1
1九州大学医学部保健学科
キーワード:
患者の自律性
,
家族の希望
,
リハビリテーション
,
易骨折状態
,
コミュニケーション
,
予後不良
Keyword:
患者の自律性
,
家族の希望
,
リハビリテーション
,
易骨折状態
,
コミュニケーション
,
予後不良
pp.532-536
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100253
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ねらい
患者や家族への対応を通して,看護師は異なる視点や価値観に気づかされることが多くあります.このような体験の積み重ねは,人間としての幅を広げることにつながります.今回からは,経験に基づいた事例の検討を通して,倫理的問題の分析や解決策について考えましょう.
日本の社会では,自己主張は好まれず,権力者を中心とした和が尊ばれる傾向があります.とくに高齢者は,周囲の状況や自分の立場を考えて,本心と違うことを言う場合が少なくありません.医療の場でも,不安や疑問があっても聞かない,意見を言わない患者は少なくないと考えられます.そこで今回は,患者と接する過程で,患者の立場や複雑な思いに気づき,患者の意向が反映される選択ができればよいのに,と悩む看護師の事例を展開します.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.