特集 小児科医に求められるスポーツ医学の知識
5.スポーツ中の熱中症
近藤 慶太
1
,
濱井 彩乃
1
1亀田ファミリークリニック館山家庭医診療科
キーワード:
労作性熱中症
,
熱疲労
,
熱射病
,
アイスバス
,
WBGT(wet-bulb globe temperature)
Keyword:
労作性熱中症
,
熱疲労
,
熱射病
,
アイスバス
,
WBGT(wet-bulb globe temperature)
pp.1105-1110
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002309
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
労作性熱中症は環境要因の熱曝露と代謝熱の過剰な産生が熱を放散するメカニズムを超えた時に生じる.小児は体重にくらべて体表面積が広く周囲の温度に体温が左右されやすく,汗をかきにくい,自分で体調の変化を訴えにくいなどの理由で大人よりも熱中症になりやすい.危険因子として睡眠不足などの内的要因だけでなく,監督者からのプレッシャー,運動強度や熱中症対策の欠如など外的要因に起因する部分もかかわってくる.現場での初期対応では,「他の病態の鑑別,合併の評価」「重症度の評価・搬送の判断」「冷却」の3点が重要である.予防には服装などの個人レベルの対策や,監督者による運動時間の調整など組織レベルの対策が求められる.
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.