連載 フレーズにピンときたら,このパターン! 鑑別診断に使えるカード・5
「HBV,HCV陰性の肝硬変」「環境要因の少ない低体温症」「黒色胸水」
長野 広之
1
1洛和会丸太町病院 救急総合診療科
pp.1006-1013
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227012
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総論
肝硬変の多くはB型肝炎ウイルス(HBV),C型肝炎ウイルス(HCV)が関与している.2008年の日本のデータは図11)の通りであり,HBVとHCVで約75%を占めている.肝硬変の際のHBVのcheckはHBs抗原とHBc抗体で行う.肝硬変が進行して増殖が衰えるとHBs抗原は低値になる場合があるからである.その他にはPSCや先天性胆道閉鎖症,沈着病(Wilson病,ヘモクロマトーシス,糖原病など)が含まれている.では肝硬変でHBV,HCV陰性の際にどういったことを考えるか見ていこう.
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