書評
—花田敬士,植木敏晴,潟沼朗生,糸井隆夫 編著—画像所見のよみ方と鑑別診断 胆・膵 第2版
海野 倫明
1,2
1東北大大学院・消化器外科学
2日本胆道学会
pp.387
発行日 2020年2月10日
Published Date 2020/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226733
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本書は初版に引き続き,日本消化器画像診断研究会を基盤として発刊された.日本消化器画像診断研究会は,1983年に有山襄先生,竹原靖明先生により創設された研究会で,各施設が持ち寄った貴重な1例を,発表時間5分,討論時間15分をかけて,消化器内科医,消化器外科医,放射線科医,病理医がけんけんごうごうの議論を戦わせる会である.CT,MRI,ERCP,EUSなどの画像と病理を突き合わさせ,診断が正しいか否かのみではなく,その画像と病理像との整合性,診断に至るストラテジー,さらに治療方針の妥当性,遺伝子変異や病因論などに関しても延々と討論が行われ,時間オーバーすることが当たり前の研究会である.
私は以前より,本研究会は「画像オタク・病理オタクの晴れ舞台」と感じていた.質問者が自分でレーザーポインターを持って来て発表者にかみ付く学会・研究会など他にあろうか? 発表者をそっちのけで質問者同士が議論することなどは,他の学会・研究会ではまず見たことがない.本研究会は,発表者に多くの緊張を強いるが,その反面,発表がうまくいくとホッとするとともに,さらに勉強しようという意欲が湧く,まさに若手にとって最高の鍛錬の場でもある.
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