特集 脱・「とりあえずCT」!—スマートな腹痛診療
総論(入門編)
女性の下腹部痛
水谷 佳敬
1,2,3
1さんむ医療センター総合診療科
2さんむ医療センター産婦人科
3亀田ファミリークリニック館山
pp.1596-1599
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226485
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Question
女性の下腹部痛ではどのような場合に産婦人科疾患を疑うべきですか?病歴聴取と身体診察で気をつけることを教えてください!
A.主に生殖可能年齢の女性においては①妊娠反応陽性,②女性に特有,③男女に共通の3つの鑑別を検討する(表1).③は急性腹症の鑑別に準ずるため本稿では割愛する.①において最も鑑別すべきは異所性妊娠である.「妊娠の可能性はありますか?」という問いは具体性を欠き,役に立たないことが多い.最終月経はいつか? それは普段通りの量・タイミングであったか? 最終性交歴はいつだったか? 避妊法は適切であったか? を確認し,妊娠の除外が困難と判断される場合や問診が困難なケースでは腹部超音波検査ないし妊娠反応検査(尿中hCG定性検査)で妊娠の有無を確認する.②の鑑別に骨盤内腫瘍の有無は重要な情報である.比較的commonな出血性黄体囊胞は排卵後以降のタイミングで認める.女性特有の問題の問診や診察に際しては,トラブルを避けるため男性職員一人で行わないようにする.
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