書評
—千葉 茂 編著—睡眠の診かた—睡眠障害に気づくための50症例
平田 幸一
1,2,3
1日本睡眠学会
2獨協医科大学内科学(神経)
3獨協医科大学病院
pp.1221
発行日 2019年7月10日
Published Date 2019/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226389
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第一線の診療において,昔から睡眠障害を訴える患者は多かった.そのような診療場面において,医師から発せられる言葉は「眠れないことで死ぬことはない,お酒でも飲んで寝なさい」という程度のもので,今となってはお恥ずかしい限りのやりとりがなされていた.しかし,近年,睡眠障害が個人のQOLを損なうばかりか交通事故や社会の生産性の低下に繋がることが知られるようになり,睡眠に高い関心が寄せられていることを反映して,睡眠障害に対して関心をもつ患者のみならず医療従事者が急増している.
しかし,編者である千葉茂氏が冒頭に述べられているように睡眠を的確に診ることはそう容易ではない.たとえ最新の睡眠障害国際分類(ICSD-3)(日本睡眠学会 診断分類委員会訳,2018年)が座右に置かれているとしても,実際に診断するとなると,これが意外に難しいのである.
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