特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方
不整脈患者に使用する薬
急に始まった動悸で救急外来を受診した患者がQRS幅の狭いリズム整の頻脈でした.どうしたらよいですか?
里見 和浩
1
1東京医科大学病院不整脈センター
pp.456-458
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225384
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Question 1
QRS幅の狭いリズム整の頻脈性不整脈の鑑別には,どういうものがありますか?
narrow QRS頻拍は,洞調律時と同様,房室伝導を順行性に興奮するQRS幅100 ms以下の頻拍であり,上室性頻拍(supraventricular tachycardia:SVT)と定義される.
narrow QRS頻拍の形態をとるリズム整の頻拍としては,洞性頻拍,心房頻拍,心房粗動,房室回帰性頻拍(atrioventricular reentrant tachycardia:AVRT),房室結節リエントリー性頻拍(atrioventricular nodal reentrant tachycardia:AVNRT)があり,さらに,接合部頻拍が鑑別として挙がる.これらの頻拍は,いわゆる変行伝導として右脚や左脚ブロックを伴う場合には,wide QRS頻拍となることもある.SVTは,心電図上,心房興奮を反映するP波と心室興奮を示すQRSとの関係がそれぞれ異なるため,両者の関係により鑑別可能である(図1)1).
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