特集 —クリニカル・クエスチョンで学ぶ—循環器薬の使い方
冠動脈疾患患者に使用する薬
【抗動脈硬化薬】
二次予防では常にスタチンは必要ですか? すでにLDL-Cが低くても開始したほうがよいですか?
有好 信博
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1The Queen's Medical Center
1The Queen's Medical Center
pp.382-385
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225366
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Question 1
すでに冠動脈疾患がある場合(安定虚血性心疾患)のエビデンスについて,スタチンでどこまでLDL-Cを下げるのが正しいですか?
冠動脈疾患がある患者においては,より強力なLDLコレステロール(LDL-C)低下作用を示すスタチン投与によって,より大きな心血管イベント抑制効果が得られる.大規模臨床試験のメタ解析の結果,LDL-C減少量と心血管イベント抑制効果との関係は直線的であることが示されている(図1)1,2).
しかし,LDL-Cの治療目標値を設定してスタチン量を調整した介入試験は存在しないため,心血管イベントの予防を目的としたLDL-C低下療法において,「LDL-Cの目標値を設定すること」と「目標値を設定せずに強力なスタチンを投与すること」のどちらがより重要なのかは,いまだ結論に達していない.
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