増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
4. 生化学検査
14)TCH,LDL-C
松本 祐之
1
,
松山 浩之
1
,
浅井 正樹
1
1名古屋大学医学部附属病院検査部
pp.1292-1296
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100294
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
コレステロールは脂質成分の一つであり,遊離型(30%)とエステル型(70%)とがあり,これらを合わせて総コレステロール(total cholesterol,以下,TCH)という.血中脂質成分は水に不溶性のため,水溶性であるアポ蛋白質と結合したリポ蛋白質として可溶化している.
超遠心法によるリポ蛋白質分画では,大きく高比重リポ蛋白質(high density lipoprotein,HDL),低比重リポ蛋白質(low density lipoprotein,LDL),超低比重リポ蛋白質(very low density lipoprotein,VLDL),カイロミクロン(chylomicron,CM)の4つに分類され,この場合のLDL比重d=1.006~1.063を広義のLDLと言い,より詳細に分類したLDL d=1.019~1.063を狭義のLDL,その際のd=1.006~1.019を中間密度リポ蛋白質(intermediate density lipoprotein,IDL)という1).なお,LDL中に含まれるコレステロールをLDLコレステロール(以下,LDL-C),HDL中に含まれるコレステロールをHDLコレステロール(以下,HDL-C)という.
TCH,LDL-C測定は冠動脈疾患などの指標として非常に重要であり,日常検査においても診察前検査など迅速検査として測定されている基本的な検査項目の一つである.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.