書評
—安藤裕貴 著—内科当直医のためのERのTips—ジェネラルケースのディープアプローチとエビデンス
山中 克郎
1
1諏訪中央病院
pp.220
発行日 2018年2月10日
Published Date 2018/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225328
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この本では救急室で遭遇する「高齢者の疾患」にフォーカスがあてられている.高齢者は病歴が取りにくく,併存症として多くの疾患を抱えていることが多い.たくさんの薬を飲んでいるので,薬剤の副作用や相互作用も心配だ.高齢ゆえに免疫不全患者でもある.訴えがはっきりしない高齢患者の診療は非常に難しく,時間や労力がかかるので誰もが敬遠しがちである.
高齢者に対する救急診療をこれほど詳しく明確に解説した本は,わが国になかったのではないだろうか.コミュニケーション法が具体的に書かれていることも特筆に値する.高齢者は視野が狭いため「患者の正面で唇の動きが見えるように,少しおおげさに話をする」ことや「アイコンタクトを入れ」注意を医療者に向けさせることがとても大切である.
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