特集 自信をもって対応する—虚血性心疾患
急性冠症候群の急性期治療
心筋梗塞合併症への対応—種類,機序,見分け方
貝谷 和昭
1
1大津赤十字病院循環器科
pp.1820-1826
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225158
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Point
◎急性心筋梗塞の合併症として,主に機械的合併症と不整脈が挙げられる.
◎急性心筋梗塞合併症は,CCUと冠動脈再灌流療法の出現・進歩により著明に軽減し,院内死亡率改善につながった.
◎急性心筋梗塞発症後,数時間以内の機械的合併症としては心原性ショックや右室梗塞などがあり,数日内の急性期合併症としては左室自由壁破裂,心室中隔穿孔や,乳頭筋不全による急性僧帽弁閉鎖不全などの機械的合併症が挙げられる.
◎心室性不整脈発生にも2つのピークがあり,①急性虚血や再灌流障害に伴う超急性期不整脈と,②数日〜2,3週間単位の発生のピークがみられる亜急性期不整脈がある.
◎一般的にこれら合併症の発症は急性進行性に顕在化することが多く,対応の遅れは致命的となる場合がある.迅速に診断を進めると同時に心臓外科医や不整脈専門医などと密に連携の取れる体制づくりも重要である.
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