特集 内科医のためのクリニカル・パール3
循環器
虚血性心疾患のクリニカル・パール
永井 利幸
1
1National Heart and Lung Institute, Imperial College London
1National Heart and Lung Institute, Imperial College London
pp.1620-1625
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225105
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胸痛患者を診察する際,虚血“らしい”と“らしくない”を常にイメージする
内科医にとって,胸痛・胸部不快感を主訴に受診する患者を診察する機会は非常に多い.もちろん,原因疾患として生命危機に直結する可能性の高い疾患から鑑別していかなければならないが,そのなかでも最も頻度の高い虚血性心疾患〔特に急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)〕の有無を早期に診断することが鍵となる.
虚血性心疾患の診断の基本3要素は,「問診」「心電図」そして「高感度心筋トロポニン」である.特に前二者は,非特異的要素を多く含むものの,簡便であり,クリニックから総合病院までどの状況においてもおおよそ5分以内に完了できる利点がある.これらを上手に駆使し,胸痛・胸部不快感症例の診察の際に,どれくらい虚血“らしい”(または“らしくない”)のかをイメージできることが重要である.
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