特集 プライマリ・ケア医のための消化器症候学
消化管出血
鮮血便—「お尻から血が出ました」
鈴木 孝良
1
,
中村 淳
1
,
青木 純
1
1東海大学付属東京病院消化器内科
pp.892-896
発行日 2017年5月10日
Published Date 2017/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224932
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Point
◎鮮血便とは,鮮紅色の血便が肛門から排泄される状態で,その多くは左側大腸から肛門までの出血である.
◎鑑別診断では,年齢,既往歴,食事,内服歴,随伴症状など慎重な問診が重要である.
◎腹部診察は,見逃してはならない緊急疾患の診断に繋がることがあるので決して怠ってはならない.なかでも直腸診は必須である.
◎診断では下部消化管内視鏡検査が中心的な役割を果たすが,造影CTは迅速な診断と有効な治療法の選択にきわめて重要である.
◎緊急止血処置が必要と思われる大量出血患者は,輸液や輸血でバイタルサインを安定化させ,速やかに専門医のいる病院へ転送する.
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