特集 主治医として診る高血圧診療
ライフステージごとの診療の留意点
関連トピックス 胎内環境と高血圧
森 典子
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1東京大学22世紀医療センター/コンピュータ画像診断学・予防医学講座
pp.1817
発行日 2016年10月10日
Published Date 2016/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224428
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Barker仮説(DOHAD仮説)と生活習慣病
Barkerらは英国で生まれた2,500 g以下の低出生体重児では成人後,心血管系疾患による死亡率が高いという疫学研究結果を1986年に報告した1).また,第二次世界大戦中1945〜1946年のオランダ飢饉の際に妊婦から生まれた子の追跡調査では,成人期での肥満,インスリン分泌低下,高血圧,心疾患リスクの上昇,早期閉経,卵巣機能低下などが認められている.このように出生時体重(ひいては胎児環境)が発達後成人期の疾患リスクと関連をもつという考え方はBarker仮説,DOHAD(developmental origin of health and disease)仮説と呼ばれ,2003年にHanson MとGluckman Pらによって提唱された2).
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