連載 いま知りたい 肺高血圧症・5
膠原病に伴う肺高血圧症
桑名 正隆
1
1日本医科大学リウマチ膠原病内科
pp.376-380
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223971
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膠原病の生命・機能予後は新規治療法の導入や対症・支持療法の進歩により飛躍的に改善したが,肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)は難治性病態として長らく取り残されてきた.近年,肺血管拡張薬が次々と導入され,それを契機に膠原病医のなかでもPHに対する認識が高まった.それとともに,専門施設での診療の最適化が図られ,特に膠原病に伴う肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)の生命予後は飛躍的に改善した(図1).また,早期に治療介入し,免疫抑制療法と肺血管拡張薬の併用療法により血行動態の正常化,すなわち寛解導入が達成できるPAH症例も増えている.一方,進行例や複雑な心肺病態を呈する例ではいまだ十分な予後の改善が得られていない.本稿では,膠原病に伴うPAHの最新知見を概説する.
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