特集 病気の分子細胞生物学
1.筋・神経・精神疾患
遺伝性小脳変性症:DRPLA
西澤 正豊
1
,
佐藤 周三
1
,
大泉 太郎
1
Masatoyo Nishizawa
1
,
Shuzo Sato
1
,
Taro Ohizumi
1
1国際医療福祉大学臨床医学研究センター
pp.387-388
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901736
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[疾患概略]
歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubral-pallidoluysian atrophy;DRPLA)は常染色体優性遺伝性小脳変性症の一病型で,歯状核赤核系と淡蒼球ルイ体系の変性を特徴とする。1982年の内藤,小柳の報告により疾患単位として確立された1,2)。世界的には日本人に多いが,頻度は人口百万あたり約5人とまれな疾患である。
臨床症状は発症年齢によって異なり,20歳未満で発症する若年型は進行性ミオクローヌスてんかん症候群を呈し,40歳以降に発症する遅発成人型は小脳失調,choreoathetosis,痴呆を主症状とする。これらの中間は早期成人型とされ,症状は両者の移行型になる。世代を経るに従い発症年齢が若年化する表現促進現象が最も顕著に認められる。
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